連立一次方程式では、複数の関係を同時に満たす値を求めます。2つの文字を含む2本の式なら、答えは両方の式で成り立つ数の組です。グラフでは、2本の直線が交わる点に当たります。
計算そのものより迷いやすいのは、加減法と代入法のどちらを選ぶかです。ここでは、早い段階で2つの例題を解き、方法を選ぶ基準、特殊な解の見分け方、独力でできる検算まで順に整理します。


解が表すものを押さえる
x + y = 7 と x − y = 1 を考えます。(x, y) = (4, 3) を代入すると、4 + 3 = 7 と 4 − 3 = 1 の両方が成り立ちます。片方だけに合う値は、連立方程式の解ではありません。
それぞれの式をグラフにすると直線になります。(4, 3) は2本の直線上にあるため、交点です。式とグラフを結び付けると、解が1つ、解なし、解が無数にある場合も理解しやすくなります。
加減法の例題を解く
2x + 3y = 13 と 4x − 3y = 5 を解きます。yの係数が3と−3なので、2本の式を足すと6x = 18、したがってx = 3です。これを最初の式に戻すと6 + 3y = 13となり、y = 7/3です。答えは(3, 7/3)です。
変形前の2本の式で検算します。2·3 + 3·(7/3) = 13、4·3 − 3·(7/3) = 5となり、どちらも一致します。戻し入れた式だけでなく両方を確かめると、途中の符号ミスにも気付きやすくなります。
同じ文字の係数が等しいか符号だけ反対なら、加減法でその文字をすぐ消せます。小さな整数倍でそろう場合にも向いています。
代入法の例題を解く
y = 2x + 1 と 3x + y = 16 を解きます。最初からyが単独なので、2本目のyを2x + 1に置き換えます。3x + 2x + 1 = 16よりx = 3、さらにy = 2·3 + 1 = 7です。答えは(3, 7)です。
代入法では、等しい式どうしを置き換えています。置き換える式の前にマイナスがあるときは必ず括弧を付けましょう。4x − y = 9へy = 2x + 1を代入すると、4x − (2x + 1) = 9です。最後の+1まで符号が変わります。
加減法・代入法・グラフを選ぶ
文字がすでに単独になっている、または係数が1や−1なら代入法が簡潔です。同じ文字の係数がそろっている、あるいは小さな整数倍でそろうなら加減法が使いやすいでしょう。グラフは解の個数や位置を見通すのに便利ですが、分数の交点を手描きで正確に読むのは難しいことがあります。
計算前に2本の式を数秒見比べます。どちらでも解けるなら、分数が出るのを遅らせられる方法を選ぶとミスを減らせます。方法が違っても、同じ解を保ったまま式の見方を変えている点は共通です。
- 文字が単独なら、まず代入法を検討する
- 小さな整数倍で項を消せるなら、加減法を検討する
- 交点の個数やおよその位置を見たいなら、グラフを使う
式全体を正しく整数倍する
2x + y = 8 と 3x + 2y = 13では、そのままでは項が消えません。最初の式全体を−2倍して−4x − 2y = −16とし、2本目と足すと−x = −3です。x = 3を戻せばy = 2になります。
消したい項だけを掛け算するのは誤りです。片方の項だけを変えると、元とは別の直線になります。式全体を括弧で囲むつもりで、左辺のすべての項と右辺を同じ数倍してから上下を足しましょう。
解なしと無数の解を見分ける
文字を消した結果が0 = 6のような矛盾なら、2本は傾きが同じで重ならない平行線です。解はありません。たとえばx + 2y = 4と2x + 4y = 11は、左辺の比に対して定数が一致していません。
0 = 0のように常に正しい式になれば、2本は同じ直線で、解は無数にあります。2x − y = 5と4x − 2y = 10では、2本目が1本目の2倍です。この場合、0が解なのではなく、2つの式が同じ関係を表しているのです。
文章題を2本の式にする
学校行事で生徒券と大人券を合わせて40枚販売し、生徒券は600円、大人券は1000円、売上は30,400円だったとします。生徒券をs枚、大人券をa枚とすると、s + a = 40と600s + 1000a = 30,400です。解くとs = 24、a = 16になります。
最初に文字の意味と単位を決め、1本の式には1つの完全な関係を表します。最後は文章に戻して、24 + 16 = 40枚、24·600円 + 16·1000円 = 30,400円を確認します。人数や枚数が負になるなど、状況に合わない答えもこの段階で除けます。
よくあるミスを防ぐ
多いのは、式を引くときの符号ミス、代入した括弧の前のマイナスの配り忘れ、式の一部だけを整数倍する誤りです。xだけ求めて止める、変形後の1本だけで検算する、といった見落としもあります。
元の連立方程式を消さず、同類項を縦にそろえて書きます。式全体に行った操作を余白に記し、求めた文字を明示してから戻し入れます。最後は必ず元の2本へ数の組を代入してください。
自力で練習しEqoraで点検する
直接加減できる問題、文字が単独の問題、特殊な解になる問題を1問ずつ解きましょう。計算前に選んだ方法と理由を書き、解いた後はグラフ上の意味を分類し、2本とも検算します。
Eqoraを使う場合は、自分の立式や途中式を示し、最初に根拠が弱い箇所や特定の代入だけを確認してもらいます。係数を変えた類題を作ってもらい、答えを見る前に自力で解くのも有効です。アプリなしでも方法を選び、確かめられる状態を目標にしましょう。
今すぐ実践する
今日の宿題や復習リストから一問を選びます。まず自分で取り組み、考えが止まった箇所を確認するときだけEqoraを使いましょう。
- 解く前に、問題が何を求めているかを口に出す
- 理由を言えない最初の一歩を指し示す
- その一歩についてEqoraに的を絞った追加の質問をする
- 解答を見ない似た問題で締めくくる
学習の流れは、紙に答えがあるから終わるのではなく、やり方がより明確になったから終わります。
