一次不等式で求めるのは、多くの場合ひとつの数ではありません。大小関係を成り立たせる値の範囲すべてが解です。方程式と似た移項や計算を使いますが、不等号の向きと端の値を含むかどうかまで正しく保つ必要があります。
まず自分で各変形の意味を考えましょう。以下では、不等号を逆向きにする場面、数直線への表し方、代入による確かめ方を例題から説明します。Eqoraは迷った1行の確認や類題作成に使えますが、最後は元の不等式で自分の答えを検算します。


解を数の範囲として読む
x + 4 < 9を考えます。両辺から4を引くとx < 5です。答えは5未満の数すべてであり、特定の1個ではありません。数直線では5に白丸を付け、左側を塗ります。5を代入した5 + 4 < 9は成り立たないため、端点の5は含みません。
x + 4 ≤ 9なら、解はx ≤ 5です。今度は5 + 4 ≤ 9が成り立つので、5を含む黒丸を使います。記号と言葉と図を対応させましょう。「小さい」は左、「大きい」は右へ伸び、等号を含む≤や≥では端点を含めます。
多段階の一次不等式を解く
3(2x − 1) ≤ 5x + 7を解きます。まず展開して6x − 3 ≤ 5x + 7。両辺から5xを引くとx − 3 ≤ 7、両辺に3を足すとx ≤ 10です。同じ数を両辺に足したり引いたりしている間は、不等号の向きは変わりません。
端点とその隣の値で確かめます。x = 10なら、元の左辺は3(19) = 57、右辺は5·10 + 7 = 57で成り立ち、10を含めてよいと分かります。x = 11では63 ≤ 62となって成り立ちません。端点と範囲の向きを別々に確認できます。
元の不等式を消さずに残します。端点の代入で含むかどうかを、塗った側の値で範囲の向きを確認します。
負の数で掛ける・割るとき不等号を逆にする
−4x + 6 > 18を解きます。両辺から6を引くと−4x > 12。両辺を−4で割るときに不等号を逆向きにし、x < −3となります。x > −3のままにするとx = 0を含んでしまいますが、元の式では6 > 18となり誤りです。
これは暗記だけの規則ではなく、数の並び方によるものです。2 < 5の両方に−1を掛けると−2 > −5になります。足し算と引き算、正の数による掛け算・割り算は順序を保ちます。負の数による掛け算・割り算だけが順序を反転させます。
連立不等式と区間を数直線に表す
−2 < 3x + 4 ≤ 13では、左右の条件が同時に成り立つ必要があります。3つの部分すべてから4を引いて−6 < 3x ≤ 9、正の3で割って−2 < x ≤ 3です。数直線では−2を白丸、3を黒丸にし、その間を塗ります。区間表記は(−2, 3]です。
「または」で結ばれた条件は離れた範囲を表すことがあります。x ≤ −1またはx > 4なら、−1を含めて左側、4を含めず右側を塗り、中央は空けます。計算前に、「かつ」で共通部分を求めるのか、「または」で合わせるのかを確認してください。
- <、>の端点は白丸
- ≤、≥の端点は黒丸
- 範囲を挟む「かつ」では端点の間を塗る
- 離れた「または」では別々の半直線を塗る
分数を消しても解を変えない
(2x − 3)/5 ≥ (x + 1)/2を解きます。両辺に正の公倍数10を掛けると2(2x − 3) ≥ 5(x + 1)です。整理して4x − 6 ≥ 5x + 5、さらに−11 ≥ x、つまりx ≤ −11となります。x = −11では元の両辺が−5なので端点を含みます。
正の一定値を掛けて分母を消すなら不等号の向きは変わりません。負の一定値なら逆向きにします。符号が分からない文字式を、場合分けせずに両辺へ掛けるのは危険です。正・負・0の可能性や、定義できない値を確認する必要があります。
文章題の条件を不等式にする
自習室の登録料が1200円、1回の利用料が450円で、予算が4800円以下だとします。利用回数をn回とすると、1200 + 450n ≤ 4800です。両辺から1200を引き、450で割るとn ≤ 8。実際の答えは0回から8回までの整数です。
「以下」「多くても」は上限を含み、「未満」「より少ない」は含みません。変数と単位を決め、条件を式にし、解いた後で状況に戻します。代数上のn ≤ 8には負の数も入りますが、利用回数として負の値は除きます。
よくあるミスを3つの検算で見つける
よくあるのは、引き算をしただけで不等号を逆にする、負の数で割ったのに逆にしない、括弧の一部だけを展開する、記号と端点の丸が一致しない、といったミスです。x ≤ 10をx = 10だけと書くと、境界と解全体を混同しています。
検算は3段階で行います。各変形の理由を書いて計算を見直す、含むはずの端点を代入する、塗った側と塗っていない側から値を選んで元の式で試す、の順です。グラフは見た目の確認になりますが、入力した式自体の誤りや無効な変形までは直してくれません。
- 両辺に同じ操作をしたか
- 負の数で掛ける・割るときだけ向きを逆にしたか
- 白丸・黒丸が不等号の記号と合っているか
- 代入した値と塗った範囲が一致するか
自力で練習し迷った1行だけEqoraで確認する
解答を隠して、5x − 7 > 18、4 − 2x ≥ 10、−5 < 2x + 1 ≤ 9を解いてみましょう。先に範囲の向きを予想し、数直線を描き、値を1つ代入します。答えは順にx > 5、x ≤ −3、−3 < x ≤ 4です。自分で終えてから比べてください。
答えが合わないときは、元の不等式と最初に不安になった行をEqoraに示し、どの操作が解の範囲を変えるのかを尋ねます。同じ注意点を含む未解答の類題を頼むのもよいでしょう。説明を閉じて新しい問題を自力で解きます。AIにも記号の読み違いや計算ミスがあるため、最後は代入と数直線で確認します。
今すぐ実践する
今日の宿題や復習リストから一問を選びます。まず自分で取り組み、考えが止まった箇所を確認するときだけEqoraを使いましょう。
- 解く前に、問題が何を求めているかを口に出す
- 理由を言えない最初の一歩を指し示す
- その一歩についてEqoraに的を絞った追加の質問をする
- 解答を見ない似た問題で締めくくる
学習の流れは、紙に答えがあるから終わるのではなく、やり方がより明確になったから終わります。
